ジョーク物語20

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《連載》ユーモア村のジョーク物語〈第20話〉

続きものですので、初めての方は「第1話:上下関係」からどうぞ🎵

【020】弁護士に必要な手腕

この平和なユーモア村にも揉め事は存在する。

他愛もない小さな揉め事ならパローナが解決してくれるのだが、少し込み入った事になると、やはり弁護士が登場する。

今回は、そろそろ引退が近づいてきた年老いた弁護士のベンターツが、息子のホーシュウに弁護士家業を引き継ぐお話です。


「おいホーシュウよ」

「はい、お父さん」

「ワシもそろそろ引退するときが来たようじゃ」

「はい」

「それでじゃ。今ワシが抱えている訴訟を少しづつお前にバトンタッチしていこうと思うとるのじゃが、大丈夫かのぉ?」

「もちろん大丈夫です!」

「ふむ。では、絹美村公害訴訟でもやってみるか?」

「えっ、お父さんが10年前からやっている、あの絹美村公害訴訟ですか?」

「ふむ、そうじゃが不服かのぉ?」

「い、いえ、お父さん、あんな大きな訴訟を任せてもらえるなんて光栄です!」

「うむ、ホーシュウよ。頑張るが良いぞ!」

「は、はいっ!」

「っと、そうじゃホーシュウよ。弁護士として必要なことは…わかっておるな?」

「やだなぁ、お父さん。ボクはお父さんに付いて15年以上も学んだのですよ。弁護士として必要なことくらい、イヤっていうほど知ってますよ」

「ふおっ、ほっ、ほっ。そうじゃったなホーシュウよ。頼もしくなったのぉ」

っとまぁ、そんなこんなで父親のベンターツから、息子のホーシュウへと弁護士家業の引継ぎが始まったのでした。

**************

数か月後。

ベンターツがコーヒーを飲みながらタバコを燻らせていると、ホーシュウが飛び込むように帰ってきた。

「お、お、お父さんっ!」

「な、なんじゃなホーシュウよ。そんなに慌てて」

「や、やりましたよ!」

「何がじゃ?」

「今日、絹美村公害訴訟で勝ちました!」

「な、な、何ぃぃぃぃ⁉」

「何って、勝ったんですよ。お父さんが10年以上やっていたあの訴訟に、ボク勝ったんです!」

「・・・」

あまりの出来事に言葉を失ったベンターツは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔つきで息子を見つめるだけだった。

***************

翌朝。

ユーモア村新聞の朝刊の1面トップにはデカデカと、

【絹美村公害訴訟ついに決着!ホーシュウ大手柄】

という文字と、ホーシュウの満面の笑みの写真が紙面を飾っていた。

もちろんユーモア村では、この話題で盛り上がることとなった。

ホーシュウが村を歩こうものなら、

「おめでとう・やったな・天才だ・早くも父親を超えた」

なとど、あちこちから賛美の声を掛けられ、英雄としてもてはやされた。

その一方、父親のベンターツはというと、息子のことばかり褒められるので、そのたびに引きつった笑顔で受け応えをしているのだった。

いたたまれなくなったベンターツは、人目を避けるようにして、幼馴染みのネクサスがやっているカニコベというバーに行くことにした。

カランコロン

「いらっしゃいませぇって、ベンターツか…」

「悪かったなオレで…」

「何ふてくされてんだよ、ったく…」

そう呆れながらも、そこは幼馴染み、ベンターツが好きなローボールを作ってテーブルに置いた。

「で?、どうしたんだいベンターツよ。何か話があってきたんだろ?」

「ふんっ、話もクソもあるもんか!。よりによってバカ息子があの訴訟を…クソッ!」

「お前が10年かかって解決できなかった訴訟を息子がいとも簡単に片付けたからって、そんなに拗ねることじゃないだろ?」

「・・・ふんっ」

「村の人たちだって、別にお前のことをバカにしてるんじゃなくて、素直にホーシュウの成長を褒めてるだけだろうに...」

「・・・ふんっ」

「もう引退したほうがいいんじゃないのか?」

「何?...引退?...。バカなことを言うなよネクサス…。どうやら今回の一件で引退は撤回せにゃならんようじゃ」

「お、お前、そこまで器の小さい男だったのか?…見損なったぞ!」

「ふんっ、お前に何がわかるってんだ!」

「そんな小さい器の男のことなんか、わかりたくねぇよ!」

「何だとこの野郎!。あのなぁ、」

と言いかけて、ベンターツは店内を見渡した。

「おい、今はオレとお前だけだよな?」

「あぁ、オレとお前だけだ...」

「そうか…」

「どうしたんだよベンターツ、このオレとケンカでもしようってのか?」

「この歳になって、お前とケンカなんかするわけないじゃろ…ふぅ...疲れたわい…」

その力の抜けたベンターツの言葉に、少し心配になったネクサスは尋ねた。

「いったいどうしたっていうんだよベンターツ、教えてくれよ、幼馴染みだろ?」

「愚痴になるけどいいか?」

「愚痴でも何でも言ってくれよベンターツ、お前の力になるからよ」

するとベンターツは、残ったローボールをグイっと呑み干した。

そして勘定を払って立ち去る間際、悲しそうにこう呟いた。

「あの訴訟で...、あと10年は飯が食えたのに…」


第21話「女房なんか恐くない」

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おまけ:愛猫ルーのつぶやき

愛猫ルーのつぶやき20

ではでは。。。

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